ハリケーン「カトリーナ」

http://www.asahi.com/international/update/0901/007.html

米ハリケーン被害、死者「数千人」 復旧、数年の見通し 2005年09月01日10時35分

ブッシュ米大統領は31日、米南部を襲った大型ハリケーン「カトリーナ」の被害を受けて、
ホワイトハウスで関係閣僚会議を開き、戦略石油備蓄(SPR)の放出を認めるなどの総合対応策をとりまとめた。
大統領は会議後、「米国史上最悪の天災の一つ」と記者団に語り、「復旧には数年かかる」との見通しを示した。
死者数は「数千人に上る」(ニューオーリンズ市長)との見方も出ており、
01年9月の同時多発テロ以来の被害規模になりそうだ。 

被害はメキシコ湾沿岸のミシシッピ、ルイジアナ両州に集中。通信が復旧していない地域もあり、
被害の全体状況が把握できないため、大統領は死者数や被害規模については言及しなかった。
現地からの報道によると、市内の8割が冠水したニューオーリンズのレイ・ネーギン市長は31日、
死者は同市内だけで「少なくとも数百人だが、おそらく数千人になりそうだ」との見方を示した。 

同市では浸水が高さ約7メートルに及ぶ地域もあり、人口約50万人の大半が避難。
2州を中心に「ホームレス(避難生活者)は100万人に達する」(CNNテレビ)とみられている。
ミシシッピ州(約290万人)の約75%の世帯が停電したという。 

ルイジアナ州ニューオーリンズ市内では約1万人がスーパードームに避難しているが、電気がなくトイレも流せない状態という。
大統領はさらなる避難先として、約560キロ離れた隣のテキサス州ヒューストンにバス(約480台)で運ぶ計画を表明。
連邦緊急事態管理庁(FEMA)や沿岸警備隊が生存者の救済にあたり、
31日までに2000人近くを救出したという。 

カトリーナは過去最大級の強さに発達し、大きな被害が予想されたにもかかわらず、
大統領の対応が鈍かったという批判が広がっており、政権の危機管理能力が問われていた。
このため、大統領は31日、長期休暇を予定より2日早く切り上げ、テキサス州から戻った。
批判を意識した大統領は会議後、閣僚を引き連れて自ら対応策を発表。
被害対策の柱として
(1)人命救助(2)避難所の確保と食糧、水、医療品の提供(3)交通、通信、エネルギーなどの包括的復旧対策、を挙げた。
専用機でワシントンに戻る途中で、被害があったルイジアナ州など3州の上空を飛ぶように指示し、
上空から被害状況を視察したことも強調した。 

米軍も救援活動に本格的に参入。陸軍が決壊した堤防の修復にあたっているほか、
海軍は輸送船や病院船を被災州が集まるメキシコ湾岸に派遣し、治安対策のために州兵1万1000人の増派も決めた。
衛生状態は極めて悪く、疫病の流行が懸念されるため、メキシコ湾岸一帯で「公衆衛生緊急事態」を宣言した。 

米メディアによると、被害総額は04年のハリケーン「アイバン」による1兆5000億円を上回るのは確実で、
数兆円規模という見方も出ている。ホワイトハウスは連邦議会に補正予算案を提出する検討を始めた。 

ハリケーン「カトリーヌ」は天災の被害より、アメリカという国の現実を見せ付けられた気がする。
被災者は殆ど黒人ばかり。
スーパードームに詰め込まれた人々は、5〜6万人(!!)もいたそうだけど、全員黒人のように見えた。
全然と言っていいほど、白人の姿がないのだ。
もし、アメリカと知らなければ、、アフリカの国か?と思うほど、
「カトリーヌ」の被害映像で流れる人種は限定されている。
白人の被災者はどこにいるのだろうか????
白人だけ別の避難所が用意されているのだろうか????
とにかく、白人の被災者がTVに全然映らないことに違和感を覚えた。


それに、なぜ事前の準備が無かったのだろうか。
ハリケーンの進路も、それが満潮時に重なるかどうかも、先進国のアメリカが予想できなかったはずはないのだ。
でも、「カトリーヌ」の進路にある自治体は、みんな逃げろ!!って言う以外、これといって何もしてなかった。
何万人もの避難者(車の無い人)をたった1つのドームに集めたのも理解できない。
ドームに居た人が、「文明社会とは思えない悲惨な状態だった」と言っていたけれど、
何万人もを1ヶ所に集めたら、悲惨になることぐらい・・・予想できたはずなのに。
「自己責任」が当り前のアメリカだけど、あまりにも無責任すぎるように思った。
ドームに逃げてくる「層」の為に、用意するのは「ドーム」だけなんてあんまりすぎる。
アメリカの政府や自治体は、自国民の安全に責任を持たないのだろうか?
そして、一刻を争う人命救助が治安維持に足ととられて、
助かる命も助からない・・・なんて、本末転倒な現実を見せ付けられて、
天災が怖いというより、格差のある社会の恐ろしさを見た気がした。


これからの日本は、コイズミ&CIA竹中の改革とやらで、
ますますアメリカの奴隷と化して、格差のある社会を目指すわけだけど、
それって、事前にハリケーンが来ることが判っていながら逃げ場もなく、
自治体が用意したロクな設備もない「収容所」に、何万人という単位で家畜のように詰め込まれることを甘受する「層」や、
天災に乗じて略奪さえ厭わない「層」が増えるってことなのだろうか。
そうでなくても、天災が世界一多い国なのに、あ〜恐ろしい。


ハリケーン「カトリーヌ」の被害をみていると、格差のありすぎる社会の荒みように背筋が寒くなる。。。。。。


P.S.
ハリケーンの高潮被害を「ツナミのよう・・・」というだけでなく、
「原爆のよう・・」「ヒロシマのよう・・」なんて言うアメリカ人は、ぶっ飛ばしたくなる。
なんで、史上稀にない何十万単位で死亡者が出た天災や原爆を、引き合いに出すのだろう。
しかも、原爆は自国が投下したのに(2個も)。