飽食の日本でこんなことがある。
四日市市で寝たきりの夫餓死させる、妻を逮捕 三重県警四日市南署は24日、寝たきりの夫を餓死させたとして、 同県四日市市堀木、新聞配達員森本のり子容疑者(46)を殺人容疑で逮捕した。 調べでは、のり子容疑者は、今年3月から寝たきりになった夫の泰実さん(55)に、 6月初めから水しか与えず、アパートの自室で餓死させた疑い。 23日になって、親族に付き添われたのり子容疑者が、「夫が死んでいる」と近くの交番に届け出て分かった。 泰実さんは栄養失調の状態で、死後3、4日たち、体重は29キロだった。 のり子容疑者は調べに対し「痛風で寝たきりになっていた。死んでも仕方ない」と供述しているという。 同署で、のり子容疑者が看病しなくなった理由などを調べている。 (2005年7月24日23時17分 読売新聞)
痛風で寝たきり・・・・そんなことがあるのだろうか。
病院へ行っていたのだろうか?妻は健常者だったのか?精神を病んでいたのか?など、いろいろ考えさせられる。
誰かが気付けば、行政の福祉で夫婦は助かったかもしれない。
家族の虐待で餓死させられる場合と状況は異なるけれど、
自らが餓死する窮状に陥ってしまった場合もまた、絶望的な孤独と悲哀を感じる。
2003年2月に起こった事件で、女性2人のうち、1人は餓死、残った1人は生き残った事件があった。
19日午後6時30分ごろ、 東京都昭島市昭和町2のマンション3階の一室で、居住者の無職女性(32)と友人の無職女性(30)が倒れているのを、 2人の家族らが見つけ119番した。 居住者の女性は衰弱死しており、友人は脱水状態だったが、命に別条はないという。 昭島署の調べによると、居住者の女性は死後数日が経過していたが、2人とも外傷はなかった。 部屋は居住者の女性が昨年1月に賃借契約を結び、翌2月ごろから、十数年来の友人だった女性と同居を始めた。 数か月前から月5万5000円の家賃の滞納が続き、今年1月からは電気も止められていた。 約1か月ほど前から連絡がとれなくなり、その後、家族らが訪れても応答がなかったという。 友人の女性は「お金が尽き、1月中旬から何も口にしていなかった」などと話しており、 自分の衰弱が激しく、居住者の女性の死亡も気付かなかったという。
事件性はないのだろうが、恐らく2人とも鬱病だったと思われ、
誰かが心療内科への診察を促せれば、なんとかなった・・・筈。
前の事件もそうだけど、少しだけ周りが気転を利かすなり、おせっかいな行動をしていれば、
悲惨な結果を回避できたのでは?と思わせる哀しみが餓死事件にはある。
ただその「何か行動する」ってのが、難しいのだろうなぁ・・・・・・・・それもわかる。
孤独だからこそ、周囲を遠ざけて孤立して餓死してしまうのだろうし、
精神的な病なら、無気力に押しつぶされてしまうから、助けを求めることさえしなくなる。。
何の助けもなく、絶望的な状況のまま、餓死するなんて、自殺より惨いと思えるから、
都会での餓死事件は、どこか私の胸の奥をしんみりさせて、なんとも云えない気分になる。
世の中的にみれば、脱落した上に餓死してしまうほど無気力な人間は、ただのダメ人間の極みなんだろう。
その無気力を社会の責任にしてみたところで、自分の尻は自分で拭け!が通常の大人社会のわけで、
世知辛い世の中では、誰かの助けさえ呼ばない緩慢で惨い死に様は、
惨い孤独さを同情されるより、自殺すらできないだらしのない奴という扱いになるのかも知れない。
この事件がワイドショーを賑わしたとき、コメンテーターの元JJモデルのカリスマ主婦黒田知永子がたった一言
「みっともないですね」とだけ言い放っていたことが印象的だった。
成城短大時代からJJのモデルに選ばれて、表紙を飾ったと思ったらすぐ結婚して、
子供を1人産んで手がかからなくなったら、主婦雑誌の40代のカリスマとして、
復帰以前より売れっ子になった苦労知らずのカリスマ黒田知永子からすれば、
無職で餓死した弱い人間は「みっともない」だけなのだ。
高い自意識を売りにしながらも、ガツガツ生きてない黒田知永子らしいコメントだった。
超自意識過剰の女王様だからこそ吐ける言葉だ。
因みに、彼女はその番組以降、生でコメントする仕事はしていない。
世間の思惑通りに世の中を憂いてみせるコメンテーターとは一味違ったコメントが面白かったのになぁ〜(残念)
■自分をバイブルだなんて、素敵すぎますね。
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