ボノ カナダ首相を批判

http://www.reuters.co.jp/newsArticle.jhtml?type=entertainmentNews&storyID=8273392

ボノ、海外援助で公約違反とカナダ首相を批判  2005年 04月 24日 日曜日 18:35 JST 

[オタワ 23日 ロイター] アイルランド出身のロックバンドU2のリードシンガー、ボノが23日、
カナダのマーティン首相が海外援助で公約違反したとして批判した。

ボノは、カナダの海外援助額を国内総生産(GDP)の0.7%に相当するレベルまで
引き上げるという首相の以前の公約が守られていないことに失望したという。

ボノは23日に放送されたCBCラジオとのインタビューで、
「本当に困惑している。失望している。ただ、希望は捨てていない。
マーティン首相が公約を守ろうと思っているか、
あるいはこれから本当にそうしたいと思っているとは到底思えない」と語った。

ボノはアフリカの発展途上国の債務問題などに取り組んでいるが、
首相官邸の電話番号を読み上げ、カナダ国民に電話をかけるよう呼び掛けた。

カナダ首相官邸の電話番号に抗議の電話をかけるように呼びかけるなんて、殆ど恫喝じゃないのかと思うけど、
ボノにとっては正義の行動なんだろう。さすがボノ。
自分の影響力をフルに利用して、世の為人の為に頑張っているみたいだ。

最近のボノの話題は、ボノがノーベル平和賞に?とか、
ボノが世銀総裁に!?!?とか、
世銀総裁がボノに電話をしてご機嫌伺い!?とか、
ダボス会議で世界のVIPに物申すボノとか、
前法王死去について「彼は最高のフロントマンでした」とコメントするボノとか、そんなのばっか。
ボノは、世界のご意見番になるつつある。いや、既にそうなっているようだ。
欧米でのボノの影響力は、ブッシュやブレアを超えているのかもしれない。

しかしなぁ・・こんなに持ち上げちゃって大丈夫なんだろうか。
なんとなく、胡散臭い気がしなくもない。
だって、ボノは「世界市民の代表」的発言をして、アフリカの貧困を憂う割りに、アジアや中東には無関心な気がするからだ。
可哀相なアフリカと、自分の影響力を高めてくれる欧米メディアと欧米文化圏だけを相手にしてる欧米至上主義(白豪主義的?)な、白人リベラルの活動家にしか思えない。
だから、ボノの活動の重要性は充分理解できるけど、彼の発言には余り共感できない。

ずいぶん前に、日本の借款をチャラにして、アフリカを助けてやれー!!って趣旨で、
どっかの新聞に主張を書いていたけれど、私はその後、それがどうなったか知らない。
ボノの活動でアフリカの国々は、借りたお金を返さずに済み、豊かになったのだろうか。

現在は、先進国のGDPのうち0.7%を海外援助に使うべし!という活動に力を入れてるようだけど、
これって、またまたしばらくしたら、可哀相だから貧しい国の借款はチャラにしてやれ!活動に変化するんだろうか?
なんだかなぁ・・・・って気がしてしまう。

大体、富める国が貧しい国に収入の0,7%援助し、貧しい国に貸した金はチャラにしてやることで、貧困がなくなるんだろうか?
物事はそんなに単純とは思えないけどね。
貧困に窮する国は、元々、国の富の分配の仕組みに問題があって、歪みを正さない限り、一部だけが潤って、その他大勢はその日暮らしなのだ。
ボノのやってることで喜ぶのは、その日暮らしの貧民じゃなく、貧困に窮する国の官僚や上層部の富める人々かもしれない。
ま、ボノだってそんなことは先刻承知だろうけどさ。
とりあえず、先進国には金を!!と、叫ぶフロントマンを引き受けているんだろう。

関係ないけど、ボノをみてるとスティングを思い出す。
確か、ロックスターで政治的な活動や発言を積極的にしだした最初の人は、スティングじゃ?
彼が熱帯雨林を切らないで〜!活動をして、南米の原住民(唇にお皿がはめ込まれていた)と一緒に世界を回っていた頃が懐かしいなぁ・・・・・
ボノがノーベル平和賞をとったら、スティングはどう思うんだろう。